ちくわぶ大将軍の「140字じゃ言い切れない事柄」

ここに綴られてるのは、単なる田舎者のコンプレックスです。

「この世界の片隅に」を観て

こうの史代さんの人気漫画「この世界の片隅に」がアニメ映画化された。

ネット上でも賛美一色で、2016年のメガヒット邦画「シン・ゴジラ」や「君の名は」でさえ批判的意見が散見されたのに、些か気味の悪さを感じないでも無かったが、自分も流行り物に弱い質なんで、去年の暮れに隙を縫って観に行った。

で、感想。

正直に言うと、観る前は主に朝日新聞を始めリベラルと目される人たちが絶賛していたんで、毎度お馴染みの反戦メッセージが織り込まれた作品だと偏見を持っていた。

で、観てみて意外にそういう政治的メッセージ性は希薄だな(と言っても、戦時中を描いてるんだから皆無ではない)と感じた。

むしろ、これまでの戦時中=暗黒時代という、紋切り型の戦時中の描かれ方とは一線を画したものであった。

(ネタバレになるので内容に関する記述は控える)戦時中なんだから、当然ながら辛い事や苦しい事は数多くある。

でも人間っていうのは、悲しみや苦しみだけでは生きてはいけない、そういう絶望的な状況の中にあっても喜びや楽しみを見出そうとする生き物なんだな、と観てみて感じた次第。

ただ、この作品に描かれた「戦時中」がリアルなそれなのかどうかについては、留保しておきたい。

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